シャンチーは、中国で盛んな将棋類であり、二人で行なうボードゲーム(盤上遊戯)の一種である。中国では国家の正式のスポーツ種目になっている。チェス、囲碁と合わせて世界三大棋類と呼ばれ、チェス、将棋とともに世界三大将棋と呼ばれることもある。
シャンチーは、ゲーム理論において二人零和有限確定完全情報ゲームに分類されるゲームの一つである。
縦横9本の線の引かれた専用の盤を用いる。駒はマスの中ではなく、囲碁のように線の交点に置かれる。
両側端中央の4桝だけは斜め線も引かれる。ここは九宮と呼ばれ王城に見立てられており、将と士(帥と仕)は九宮を出ることができない。
中央の一列だけは縦線が引かれていない。楚河、漢界の字が書かれており、ここは大河に見立てられている。相(象)は河を越えることはできず、兵(卒)は河を越えると戻れなくなる。これは、このゲームの発祥が韓信であり、楚の項羽との睨み合いの最中に兵士たちの暇潰しと戦略眼の養成のために発案したとの伝説による。
競技者双方が交互に、盤上にある自分の駒を一回ずつ動かす。
駒は双方が7種16枚持ち、それぞれ動きが決まっている。なお同じ機能の駒でも先手と後手で名前が異なる。
自分の駒を動かすとき、動く先に相手の駒があるとき、その駒を取ることが出来る。取られた駒は盤面から除去する。将棋と異なり、取った駒は再利用出来ない。
相手の将または帥を詰めることで勝ちになる。また相手指し手番で相手が動くと詰みになってしまうステイルメイト(困死、クンスー)にしても勝ちである。
王不見王(ワンプージエンワン)、あるいは対面笑(トイメンシアオ)と呼ばれるルールがあり、将と帥を直接相対させてはいけない。すなわち将と帥が同じ列で、その間に他の駒が一つもないような状態にするような手は指すことが出来ない。具体的には将と帥の間にひとつだけ存在する他の駒を動かすことや、将が王手を避けて動いた結果、相手の帥の前に出てしまうことが挙げられる。相手に、将と帥を直接相対しなければならない手を指さざるを得ないように追い込むのも、詰めの一つである。
連続王手の千日手(長将、チャンジャン)は禁じ手であり、王手をかけている方は3回同じ局面が出現するまでに手を変えなければならない。
(和棋、ホーチー)駒の消耗によって双方が相手を詰められなくなった場合は引き分けとなる。
駒
上下が平らな円形に切った木片の、片面に文字を書いたものを用いる。先手と後手の駒は文字の色と名前で区別し、先手の駒の文字は赤、後手は黒か緑の文字を書く。
初期配置図
斜線の引かれた9路を九宮といい、帥・将・仕・士はこの中から出ることができない。中央の縦線のない部分を河といい、象・相はこれを越えることができない。兵・卒が越えると動きが変わる。
帥・将
先手が帥(シゥアィ)、後手が将(ジャン)。前後左右に一路進める。ただし九宮から出ることはできない。また相手の帥・将と直接相対するような動きもできない。詰められると負けである。
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○ ▲ ○
┼ ○ ┼
仕・士
先手が仕または士(シー)、後手が士(シー)。斜めに一路進める。ただし九宮から出ることはできない。
○ ┼ ○
┼ ▲ ┼
○ ┼ ○
馬
先手が馬または傌(マー)、後手が馬(マー)。八方桂やナイトと同じ動きだが、駒を飛び越えることはできない。すなわち◆の位置に他の駒(敵味方を問わない)があれば、その方向には進めない。この状態を塞脚馬と呼ばれる。従って、駒に接する上下左右の4箇所に他の駒があれば、その機能を失う。チャンギの馬と同様の動き。
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○ ┼ ◆ ┼ ○
┼ ◆ ▲ ◆ ┼
○ ┼ ◆ ┼ ○
┼ ○ ┼ ○ ┼
相・象
先手が相(シャン)、後手が象(シャン)。斜めに二路進めるが、駒を飛び越えることはできない。すなわち◆の位置に他の駒(敵味方を問わない)があれば、その方向には進めない。さらに、駒に接する斜め4箇所に他の駒があれば、その機能を失う。この状態を塞相田あるいは塞象田と呼ばれる。また河を越えられない。
○ ┼ ┼ ┼ ○
┼ ◆ ┼ ◆ ┼
┼ ┼ ▲ ┼ ┼
┼ ◆ ┼ ◆ ┼
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俥・車
先手が俥または車(チュ)、後手が車(チュ)。縦横に何路でも進める。
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炮・砲
先手が炮または包(パオ)、後手が砲または包(パオ)。縦横に何路でも進めるが、敵の駒を取るときは他の駒を一つ飛び越えなければならない。飛び越えずに敵の駒を取ることは出来ないし、取らずに飛び越えることもできない。
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例:炮は卒や砲を取ることが出来るが、馬を直接取ることは出来ない。また、俥を取ることも出来ない。
┼ 砲 ┼ ┼ ┼ ┼ ┼ ┼
┼ 馬 ┼ ┼ ┼ ┼ ┼ ┼
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┼ 炮 ┼ 相 ┼ 卒 ┼ 俥
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兵・卒
先手が兵(ピン)、後手が卒(ツー)。前に一路だけ進める。河を越えると横にも一路進めるようになる。
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歴史
前史
シャンチーは他のチェス型ゲームと同様、インドのチャトランガを起源とするとされる。
唐代の『太平御覧』に収められた『玄怪録[1]』に、将棋の駒の動きを想起させる記述が残されている[2][3]。このときの駒の配置や動きは、現在のシャンチーとは大きく異なり、チェスや(2人制の)チャトランガに近いものであったと推測され、駒も縦横の線の交点ではなく、マス目の中に置かれたものと考えられている。
現在の形のシャンチーが発生したのは、宋代と考えられている。北宋末期の女性詩人である李清照による『打馬図経序』に、シャンチーと同じ配置の図が紹介されており[4]、徽宗(在位1101~25)の遺物とされるシャンチーの駒や、北宋の首都であった開封から出土したシャンチーの駒が発掘されている[5]。開封の駒は現在のシャンチーと同じ7種類(将・士・象・車・馬・砲・卒)で、円形の銅製の駒で、裏にはそれぞれの駒に対応する絵が描かれている。
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