弧を引くミント茶
給仕の男は白シャツに縞のチョッキ、銀の縫いとりをした黒ズボン、宝石の飾りをつけた半月刀を腰にたばさみ、頭には真紅のターバン、口ひげをたくわえている。シェークスピアのオセロの従者を連想させる姿である。彼は左手に煎茶茶碗ほどのカップを客の数だけ乗せた銀盆を持ち、右手のポットからミント茶を注ぐ。ポットはお茶を注ぎながら次第に上へ、遂には頭上まであがり、お茶は美しい弧を描いてカップに納まる。アラブ流”白糸の滝”といおうか。彼はピタッとポーズを決めて、銀盆を差し出す
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お茶は正確に八分目である。これに似た芸といえば、地中海の対岸スペインのシェリー酒の産地へレスやセヴィリアなどにもある、長い柄のついた小さな銀のひしゃくで樽から汲みとったシェリー酒を中空を舞わせて、シェリーグラスに受け止めるのである。どちらが本家か知らないが、見事な芸だ。(「味に想う」 角田房子) モロッコのマラケシュ地方の話だそうです。清酒でもこんな感じのサービスがあったら面白く…ないかもしれません。